弁護士9条の会・おおた
映画で考える「平和」
男たちの大和
芝田 佳宜

 若い人の文章もないと,という長尾弁護士のお誘いに応じて,私が映画の感想をつづらせて頂きます。
  『男たちの大和』は,世界最大最強(当時)の戦艦大和と乗員たる男たちと少年たち,それを取り巻く人々の大和が沈むまでを描いた群像劇です。
  戦艦大和にあこがれていた少年神尾克己は,戦局が行き詰まるに至り,徴兵される。そして,その少年は「あこがれの」戦艦大和に乗り込むわけだが,その末路は軍上層部も無謀だと自認している特攻作戦だったのであります。
  この映画のコピーは「ただ愛する人を,家族を,友を,祖国を守りたい,その一心で「水上特攻」に向かい,若い命を散らせていった男たち」とあります。
  私が見る限り,映画からは特定のメッセージを強調しようという意図は感じられませんでした。ただ,大和の上で生き,死んでいった男たちを克明に描いた作品だと思います。
  しかし,史実かどうかは知りませんが,特攻を下命しに来た将校に対して,大和乗艦の任につく将校らが詰め寄る場面,作戦前夜の最後の宴会中に,この作戦に意味があるのかと言い争う若い水兵たちのやりとり,その争う乗員たちをいなす長嶋一茂扮する臼淵大尉の「敗れて目覚める,それ以外にどうして日本が救われるか。今目覚めずしていつ救われるか。俺たちはその先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る,まさに本望じゃないか。」という言葉を見ていると,やはりこれは反戦映画であると思わせられました。戦争の前線の姿を克明に描写した映画はすべからく反戦映画となると私は思います。
  自分は安全なところにいて,特攻を命ずる軍の上層部,敗戦必死の状況でなおも戦争の継続を(消極的な選択であるにせよ)決断する上層部を見ていると腹立たしい思いで,こんな人たちが国の指導者だと思うと情けない思いでした。
  私が見る限り映画には,上で紹介した映画のコピーにあるような,男たちの「思い」は見あたりませんでした。ただただ,運命と,頭の悪い上層部の命令に翻弄され,忍従する男たちの姿だけがありました。このコピーは大東亜戦争は東亜解放・祖国防衛の偉大な戦争であったという癒しを求めておられる方々に,映画館に足を運んでもらうための商業コピーなのでしょうね。

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