弁護士9条の会・おおた
「これがいいたい!」一人一言

 20年7月13日の朝日新聞に、空襲被害者の補償について「空襲被害者が全国組織」の題、サブタイトルは「来月結成集会 救済法の制定求める」で記事が掲載された。そこには、「旧軍人・軍属とその遺族には恩給や、「戦傷病者戦没者遺族等援護法」に基づく年金など総額約50兆円が支出されてきたが、空襲被害者に対して国は『戦争で受けた損害を国民は等しく受任(我慢)しなければならない』として援護措置は一切ない。」と紹介されている。

 実は軍人に対する恩給・軍人遺族への年金の今までの支給総額が50兆円と新聞に報道されたのは、自分の知る限り、史上初めてのことである。この記事を書いた武田肇記者が関心をもって取材をされたことに大変感謝したい。

 この支給の内容を詳しく見ると、昭和28年に始まり、平成21年度までの54年間に48兆6261万円が支出されている。単年度支給額では、昭和53年に1兆円を越し、昭和56年から平成6年までは毎年1兆5000万円以上の支給が続いた。

自分は、1兆円規模の数字はあまり頭に入らない方であるが、弁護団の一員として、この数字はいろんな記事の判断モノサシに使っている。

たとえば、7月2日の日経新聞1面には「日航救済に新規融資 3600億円」の見出し、本文では「日航には支援機構と政投銀が6000億円のつなぎ融資枠を設けている」と書いている。これで1兆円というのはひとつの巨大企業の存亡がかかる程の金額と分かる。日航の退職者の年金削減が求められたことも記憶に新しい。本体が潰れたのだから、年金だけをOBOGが安穏にもらっていいはずがない。

 旧軍人に対する恩給と遺族年金支給は、彼らが、「陸軍省海軍省の役人であったから」「その遺族である」という以上の理屈はない。大日本帝国(ダイニッポンテイコクと読む)は、無謀な戦争をおこし国民に回復しがたい損害を与えながら、「破産」したのに、その「幹部社員」たる職業軍人達は老後の生活を「本体」から保証され続けている。保証の財源はいうまでもなく国民の税金である。

民間では当然の「削減」は国家の場合には該らない、とすればいわゆる「親方日の丸」そのものである。こんな事がまかり通り、この問題を従前野党が切り込まずに聖域化していた事も自分には謎である。

原田敬三

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